みんなのクレジットに対する行政処分勧告。杜撰過ぎる運用実態に唖然・・・。

キャッシュバックで人気を集めていたみんなのクレジット
以前、証券取引等監視委員会による検査が入ったことを12月にブログ記事でご紹介しました。

みんなのクレジットが証券取引等監視委員会の検査中!!結果が気になります…。
現在、みんなのクレジットが証券取引等監視委員会の検査中のようです。何か問題があるのでしょうか?結果が待たれます。

その後何も問題等は出てこなかったので、大丈夫なのかな…?と思っていたのですが、3月24日、証券取引等監視委員会から「株式会社みんなのクレジットに対する検査結果に基づく勧告について」という発表がなされました。
これを見ると、みんなのクレジットの運営はかなり杜撰であったと言わざるを得ません。

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勧告の内容・事実関係

以下、証券取引等監視委員会のHPより引用します。

参照元 証券取引等監視委員会:株式会社みんなのクレジットに対する検査結果に基づく勧告について

1.勧告の内容

証券取引等監視委員会が株式会社みんなのクレジット(東京都渋谷区、法人番号1010001168066、代表取締役 白石 伸生(しらいし のぶお)、資本金2億円、常勤役職員12名、第二種金融商品取引業)を検査した結果、下記のとおり、当該金融商品取引業者に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。

2.事実関係

株式会社みんなのクレジット(以下「当社」という。)は、当社ウェブサイトを通じて、匿名組合(以下「ファンド」という。)の出資持分の取得勧誘を行い、その出資金により貸付事業を行っている。なお、平成28年11月末現在、償還期限が到来していないファンドは、56本、出資金約17億6000万円である。
今回検査において、当社の業務運営の状況を検証したところ、以下の問題が認められた。

(1)金融商品取引契約の締結又は勧誘において重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為

ア 貸付先について誤解を生ぜしめるべき表示をする行為

当社は、平成28年4月から、法人向けローンを出資対象事業とする「不動産ローンファンド」や「中小企業支援ローンファンド」等と称するファンドの出資持分の取得勧誘を行っている。
当社の貸付先は、そのほとんどが当社の親会社である株式会社甲(以下「甲」という。)及びその関係会社(当社、甲及びその関係会社を合わせて以下「甲グループ」という。)となっており、貸付先が甲グループに集中している状況となっている。
当社は、貸付先の審査の段階から、甲グループへの貸付けを予定していたにもかかわらず、ウェブサイトにおいて、ファンドが複数の不動産事業会社等に対し貸付けを予定しているかのような表示をし、貸倒れリスクが分散されているかのような誤解を与える表示を行った上で、顧客に対し、出資持分の取得勧誘を行っていた。
また、甲は、ファンドから借り入れた資金の返済について、不動産事業等による収益から返済する旨をウェブサイトに記載しているが、実際には、下記(2)アのとおり、他の償還期限が到来していないファンドの資金を充当しているものも認められた。

イ 担保について誤解を生ぜしめるべき表示をする行為

当社は、取得勧誘を行ったファンドについて、契約締結前交付書面において、原則として貸付先から不動産若しくは有価証券の担保を受け入れ、返済が滞った場合には、担保権の実行により貸付金の回収を図る旨を表示している。
しかし、実際は、上記アのとおり、貸付先のほとんどが甲グループであり、設定された担保の大半が甲の発行する未公開株式となっており、中には担保が設定されていない貸付けも存在する状況となっている。
このように、当社は、甲グループの信用リスクが顕在化した場合には価値が大きく毀損する甲の発行する有価証券を担保としているほか、貸付けの中には担保設定していないものが存在しているにもかかわらず、ファンドの貸付債権が保全されているかのような誤解を与える表示を行った上で、顧客に対し、ファンドの出資持分の取得勧誘を行っている。

 当社の上記の行為は、金融商品取引法第38条第8号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号に掲げる「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、(略)重要な事項につき誤解を生ぜしめるべき表示をする行為」に該当するものと認められる。

(2)当社の業務運営について投資者保護上問題が認められる状況

当社は、ファンド出資金が下記アからオの状況にあることを認識しながら募集を継続している。

ア ファンドの償還資金に他のファンド出資金が充当されている状況

当社が取得勧誘を行ったファンドのうち、既に償還された17本のファンドの償還金の原資を検証したところ、10本について、他の償還期限が到来していないファンドの資金が償還金に充当されている状況が認められた。

イ 当社のキャンペーンにファンド出資金が充当されている状況

当社は、ファンドの募集を開始して以降、キャッシュバックキャンペーンと称して、顧客に現金を還元しているが、当該現金還元の原資を検証したところ、甲へ貸し付けたファンド出資金が当社に還流して充当されている状況が認められた。

ウ 白石代表がファンド出資金を自身の借入れ返済等に使用している状況

白石代表は、当社が甲に貸し付けたファンド出資金について、甲の社員に指示を出し、自身の預金口座及び自身の債権者に送金させている状況が認められた。

エ 甲グループの増資にファンド出資金が充当されている状況

甲グループの一部の会社は、甲グループの他の一部の会社を引受人とする増資を行っている。当該増資については、ファンド出資金が甲グループ内で貸付け、借入れが繰り返された後に充当されている状況が認められた。

オ ファンドからの借入れを返済することが困難な財務の状況

当社は、ファンド出資金の最大の貸付先である甲が、平成28年5月末から同年11月末の間、毎月多額の損失を出し続け、累積赤字を増加させており、同年8月末から同年10月末においては債務超過の状態にあったことを認識していた。甲は、同年11月末、上記エの増資により債務超過状態を解消しているが、一方で、同年5月以降、ファンドから毎月多額の資金を借り入れていたことから、同年11月末時点における短期借入金が流動資産を大きく上回る状況となっている。
また、平成28年11月末時点における甲グループ全体の財務状況についても、短期借入金の総額が流動資産を大きく上回っている状況となっていることから、ファンドからの甲グループへの貸付けは返済が滞る可能性が高い状況と認められる。

上記の状況は、金融商品取引法第51条に規定する「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。

これによると、大きな問題は6つ。

1.ほとんどの貸付先が、みんなのクレジットの親会社や関連会社であった。
2.ファンドの償還やキャッシュバックに、他の新規ファンドの資金を流用していた。
3.担保は、ほとんどが親会社の未公開株式となっており、一部担保の無いファンドもあった。
4.白石代表がファンド出資金を自身の借入れ返済等に使用している状況があった。
5.親会社や関連会社の増資にファンド出資金が充当されている状況があった。
6.親会社や関連会社全体の財務状況から、返済が滞る可能性が高い状況と認められる。

もはや問題だらけで、どうしようかという感じですね…。

まず、ほとんどの貸付先が財務状況の悪いみんなのクレジットの親会社&関連会社に対してのものであり、非常にリスクが高い状況となっているようです。
みんなのクレジットの募集ファンドは「不動産ローンファンド」や「中小企業支援ローンファンド」等と名付けられていましたが、実態はほとんどが親会社や関連会社なわけです。
通常は各ファンドに資金を分散させて貸付先の倒産リスクを図ると思うのですが、貸付先が同じ今の状況だと、このみんなのクレジットグループに対して過大なリスクを負っていることになります。
しかも、貸付先の倒産に備えて設定される担保は、その会社の未公開株式です。倒産する企業の未公開株式なんて当然価値がありませんから、本来、担保にはなり得ません
貸付先が倒産してしまった場合には、担保の価値が無く元本が戻ってこない可能性が高くなります。貸付先(親会社・関係会社)の財務状況も悪いようなので、非常に不安なところです。

さらには、新規ファンドへの出資金を既存資金の償還資金に充てたりキャッシュバックキャンペーンの支払いに充てたりする問題行為だけではなく、白石代表自身の借入返済に使われていたとのこと。ファンドの自転車操業も大問題ですが、代表がファンド資金を私的流用するのはあり得ません

みんなのクレジットの対応は?

この記事を書いている3月25日朝時点では、みんなのクレジット側からメールでの連絡は何もありませんが、HPには「証券取引等監視委員会の勧告について」というお知らせがアップされています。

参照元 みんなのクレジット:証券取引等監視委員会の勧告について

出典が画像で読みにくいため、私の方で文字に打ち直しておきます。

■証券取引等監視委員会の勧告について■

本日、証券取引等監視委員会から弊社に対する検査結果として、内閣総理大臣および金融庁長官に対して行政処分を求める勧告がなされました。
当社は今回の検査結果を厳粛に受け止め、勧告に至ることとなった問題について、常日頃より弊社をご愛顧いただいておりますお客様をはじめとする関係各位に、深くお詫びいたします。
また、勧告に至りました経緯を洗い出し、今般指摘された問題について、体制の一新、コンプライアンス体制を遵守した投資家保護体制を構築して参ります。

なお、現在運用中のローンファンドは予定通り、正常に運用されております。
また、現在募集中のローンファンドの運用につきましても、今まで通りの運用を予定しておりますので、ご安心ください。

指摘事項につき、

1.弊社代表白石に対して、給与等の仮払いが支払されていた件につき、当局と協議して参りましたが、白石より申し出を受け、当人より全額の返金がなされていることを報告させて頂きます。

2.また、財務状況につきまして、昨年12月上旬の検査日時点では、土地仕入が先行し、販売による売上が計上されていない状況であった結果「困難な財務状況」と表記されておりますが、2017年3月時点においての不動産事業の売上は順調であり、弊社の財務部門の見解では、ファンドの返済は直近の不動産の販売推移から十分可能という判断であることを述べさせて頂きます。

みんなのクレジットの主張をまとめると、

・ 不動産事業の売上は順調であり、ファンドの返済は可能
・ 現在運用中のファンドは正常運用されている。
・ 現在募集中のファンドもこれまで通りの運用を予定している。

とのこと。

また、「弊社代表白石に対して、給与等の仮払いが支払されていた件」というのが証券取引等監視委員会の言うところの「自身の預金口座及び自身の債権者に送金させている状況」でしょうか。だいぶ印象が異なりますが…。
みんなのクレジットのお知らせによると「全額の返金がなされた」とのことですが、元々自身の借入れ返済等に流用していたわけですので、どのように返金されたのかが気になるところです。

みんなのクレジット側のお知らせを見る限りでは、投資家に対して大丈夫であるとアナウンスをしているように見えますし、実際に今も新規ファンドの募集が行われておりますが、はっきり言って私はまだ信用することが出来ません
個人的には新規投資は控えた方が良いと思います。

まとめ

現在、みんなのクレジットに対して行政処分を行うよう、証券取引等監視委員会から内閣総理大臣及び金融庁長官に対して勧告が為されています。
どのような処分が行われるのかは分かりませんが、結果を待つしかありません。

私自身、みんなのクレジットには投資を行っています。人から見ればそれほど多額ではないかもしれませんが、私にとっては大切なお金です。無事に還ってくると良いのですが、借金返済やら増資やら他ファンドやらキャッシュバックキャンペーンやらに流用されている事実から、大変不安です。

このような状況ですので、今はみんなのクレジットへの新規投資は控えることをお勧めします

元々ソーシャルレンディングにおいてはリスク分散が重要であり運用会社も分散した方が良いと考えておりましたが、今回の件でますますそう感じました。
私の場合、現在【クラウドクレジット】にかなり偏って投資をしているのですが、もう少し分散させた方が良いのかもしれません。

ただ、【クラウドクレジット】からは、3月24日付けでみんなのクレジットの行政処分勧告を受けたメールが送られてきました。内容は大まかに言うと、【クラウドクレジット】では適切に投資資金を管理しており、契約事項から逸脱するファンド財産の流用等も無いのでご安心くださいとのこと。このようなメールをもらえると安心します。【クラウドクレジット】には伊藤忠商事というしっかりとした株主もいるので、その辺りも安心材料です。
高金利なだけでなく対応も気に入っているので、ついついここに投資してしまいます…。

実は私の場合、【クラウドクレジット】からのメールによって、今回のみんなのクレジットへの勧告に気が付きました(メールでは勧告を受けた会社名は出ていませんが、12月の検査の件を知っていたので察しがつきました)。しかし、本来はみんなのクレジットこそ投資家に対してメールでも説明すべきです。前に検査が入っていた時も何もお知らせがありませんでしたし、投資家に対してもっと誠実な対応を望みます

今後の行方が気になりますが、何か進展があれば、またブログでご紹介しますね。

ソーシャルレンディング各社
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